化学 / 電気化学
章末問題
章末問題
問題1
問題
ダニエル電池の電池全体のイオン反応式を書け。また、負極・正極それぞれで起こる反応は酸化・還元のどちらか答えよ。
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亜鉛は銅よりイオン化傾向が大きいため、負極で酸化されて溶け出し、銅(イオン)は正極で還元されて析出します。
負極(酸化):$\ce{Zn -> Zn^2+ + 2e-}$ 正極(還元):$\ce{Cu^2+ + 2e- -> Cu}$
両式の電子の数(2個)をそろえて足し合わせると、
$\ce{Zn + Cu^2+ -> Zn^2+ + Cu}$
答え:$\ce{Zn + Cu^2+ -> Zn^2+ + Cu}$、負極は酸化、正極は還元
問題2
問題
鉛蓄電池が放電するとき、正極・負極それぞれの質量はどのように変化するか。理由とともに簡潔に説明せよ。
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放電時の全体の反応は $\ce{Pb + PbO2 + 2H2SO4 -> 2PbSO4 + 2H2O}$ です。負極では $\ce{Pb}$(原子量207)が $\ce{PbSO4}$(式量303)に変わり、正極では $\ce{PbO2}$(式量239)が $\ce{PbSO4}$(式量303)に変わります。どちらも、もとの物質より式量の大きい $\ce{PbSO4}$ に変化するため、水に溶けにくい $\ce{PbSO4}$ が電極表面に付着していき、正極・負極とも質量は増加します。
答え:正極・負極ともに、水に溶けにくい $\ce{PbSO4}$ が電極表面に付着するため、質量は増加する。
問題3
問題
鉛蓄電池を放電させたところ、$0.500\ \mathrm{mol}$ の電子が流れた。このとき消費された硫酸 $\ce{H2SO4}$ は何molか。
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負極の反応 $\ce{Pb + SO4^2- -> PbSO4 + 2e-}$ より、電子2molが流れるごとに $\ce{SO4^2-}$ が1mol消費されます。正極の反応 $\ce{PbO2 + 4H+ + SO4^2- + 2e- -> PbSO4 + 2H2O}$ より、電子2molが流れるごとに $\ce{H+}$ が4mol、$\ce{SO4^2-}$ が1mol消費されます。両方をあわせると、電子2molが流れるごとに、$\ce{H+}$4molと$\ce{SO4^2-}$2molが消費されることになり、これは $\ce{H2SO4}$ 2mol分にあたります。つまり、電子の物質量と消費される $\ce{H2SO4}$ の物質量は等しい($1:1$)関係にあります。
$n(\ce{H2SO4}) = 0.500\ \mathrm{mol}$
答え:$0.500\ \mathrm{mol}$
問題4
問題
硝酸銀 $\ce{AgNO3}$ 水溶液を、白金電極を用いて電気分解した。陽極・陰極でそれぞれ発生・析出する物質を、反応式とともに答えよ。
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陰極:$\ce{Ag+}$ はイオン化傾向が水素より小さいため還元され、銀が析出します。
$\ce{Ag+ + e- -> Ag}$
陽極:白金は不活性電極で、$\ce{NO3-}$ は酸化されにくいイオンなので、水が酸化されて酸素が発生します。
$\ce{2H2O -> O2 + 4H+ + 4e-}$
答え:陰極では銀 $\ce{Ag}$、陽極では酸素 $\ce{O2}$
問題5
問題
硫酸銅(II) $\ce{CuSO4}$ 水溶液を、銅電極を用いて電気分解した(電解精錬のモデル)。陽極・陰極で起こる変化を、質量の増減にふれながら説明せよ。
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陽極では、電極自身の銅が酸化されて溶け出すため質量が減少します($\ce{Cu -> Cu^2+ + 2e-}$)。陰極では、水溶液中の $\ce{Cu^2+}$ が還元されて銅が析出するため質量が増加します($\ce{Cu^2+ + 2e- -> Cu}$)。流れる電子の物質量は両極で共通なので、陽極で溶けた分と陰極で析出する分はちょうど等しく、水溶液中の $\ce{Cu^2+}$ の濃度はほぼ変化しません。
答え:陽極は質量減少(銅が溶解)、陰極は質量増加(銅が析出)。溶液中の $\ce{Cu^2+}$ 濃度はほぼ変化しない。
問題6
問題
ある1価の金属イオン $\ce{M+}$ を含む水溶液を、$1.00\ \mathrm{A}$ の電流で $1930\ \mathrm{s}$ 間電気分解したところ、陰極に金属Mが $2.16\ \mathrm{g}$ 析出した。Mの原子量を求めよ。ファラデー定数を $F=9.65\times10^4\ \mathrm{C/mol}$ とする。
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流れた電気量は、
$Q = It = 1.00\times 1930 = 1930\ \mathrm{C}$
電子の物質量は、
$n_e = \frac{1930}{9.65\times10^4} = 0.0200\ \mathrm{mol}$
$\ce{M+}$ は1価なので、$\ce{M+ + e- -> M}$ より、析出したMの物質量は電子の物質量と等しく $0.0200\ \mathrm{mol}$ です。原子量を $M_w$ とすると、
$M_w\times 0.0200 = 2.16 \quad\Rightarrow\quad M_w = 108$
答え:原子量108(銀 $\ce{Ag}$ に相当する)
問題7
問題
希硫酸を、白金電極を用いて $5790\ \mathrm{C}$ の電気量で電気分解した。陽極で発生する酸素 $\ce{O2}$ の標準状態(0℃、1atm)での体積は何mLか。ファラデー定数を $F=9.65\times10^4\ \mathrm{C/mol}$、気体のモル体積を $22400\ \mathrm{mL/mol}$ とする。
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電子の物質量は、
$n_e = \frac{5790}{9.65\times10^4} = 0.0600\ \mathrm{mol}$
陽極の反応は $\ce{2H2O -> O2 + 4H+ + 4e-}$ であり、$\ce{O2}$ 1molあたり電子4molが必要なので、
$n(\ce{O2}) = \frac{0.0600}{4} = 0.0150\ \mathrm{mol}$
体積に直すと、
$0.0150\times 22400 = 336\ \mathrm{mL}$
答え:$336\ \mathrm{mL}$