化学基礎 / 酸化還元反応

頻出解法パターン

パターン1: 酸化数を決定する手順

こんな問題で使う

化合物やイオンの中の、特定の原子の酸化数を求める問題。

解法の手順

  1. 単体中の原子なら酸化数は $0$、単原子イオンならその価数がそのまま酸化数だと判断する。
  2. 化合物・多原子イオンの場合、水素は $+1$(例外:金属水素化物)、酸素は $-2$(例外:過酸化物、$\ce{OF2}$)とおく。
  3. 求めたい原子の酸化数を $x$ として、化合物なら総和が $0$、イオンなら総和がそのイオンの価数になる方程式を立てる。
  4. 方程式を解いて $x$ を求める。

具体例

$\ce{H2SO4}$ 中のSの酸化数は、$(+1)\times2+x+(-2)\times4=0$ を解いて $x=+6$ となる。

パターン2: 半反応式の作り方

こんな問題で使う

酸化剤・還元剤が、電子を含めてどのように変化するかを表す半反応式を作る問題。

解法の手順

  1. 変化前後の化学式を書く。
  2. O以外の原子の数を、係数を使って両辺でそろえる。
  3. 両辺のO原子の数を、$\ce{H2O}$ を加えてそろえる。
  4. 両辺のH原子の数を、$\ce{H+}$ を加えてそろえる。
  5. 両辺の電荷の合計を、$\ce{e-}$ を加えてそろえる。

具体例

$\ce{MnO4-}$ が $\ce{Mn^2+}$ に変化するとき、この手順に従うと $\ce{MnO4- + 8H+ + 5e- -> Mn^2+ + 4H2O}$ が得られる。

パターン3: 半反応式を組み合わせて全体のイオン反応式を作る

こんな問題で使う

酸化剤の半反応式と還元剤の半反応式が与えられ(またはそれぞれ自分で作り)、電子を含まない全体の反応式を作る問題。

解法の手順

  1. 酸化剤・還元剤それぞれの半反応式を用意する(パターン2を使う)。
  2. 2つの式に含まれる電子の数の最小公倍数を求める。
  3. それぞれの式全体を、電子の数がその最小公倍数になるように何倍かする。
  4. 2つの式を足し合わせ、両辺に共通する電子を消去する。

具体例

$\ce{MnO4-}$(電子5個)と $\ce{Fe^2+}$(電子1個)を組み合わせるには、$\ce{Fe^2+}$ の式を5倍してから足し、$\ce{MnO4- + 8H+ + 5Fe^2+ -> Mn^2+ + 4H2O + 5Fe^3+}$ を得る。

パターン4: イオン化傾向から反応の有無を判定する

こんな問題で使う

金属が水や酸、他の金属イオンの水溶液と反応するかどうかを判定する問題。

解法の手順

  1. 判定したい金属どうし(または金属と水素)のイオン化列上の位置を確認する。
  2. 水との反応なら「Li~Naは常温、Mgは熱水、Al・Zn・Feは高温水蒸気、それ以外は反応しにくい」という基準に当てはめる。
  3. 酸との反応なら「水素より左の金属は希塩酸・希硫酸に溶ける」という基準に当てはめる。
  4. 金属どうしの置換反応なら「イオン化傾向の大きい方が溶け、小さい方が析出する」という基準に当てはめる。

具体例

$\ce{Fe}$ は水素よりイオン化傾向が大きいので、希塩酸に入れると水素を発生しながら溶ける。

パターン5: 酸化剤・還元剤の量的関係の計算

こんな問題で使う

酸化剤(または還元剤)の物質量が与えられ、過不足なく反応する還元剤(または酸化剤)の物質量や、生成物の物質量を求める問題。

解法の手順

  1. 酸化剤・還元剤それぞれの半反応式を用意し、組み合わせて全体のイオン反応式を作る(パターン2・3を利用)。
  2. 全体の反応式の係数比が、そのまま物質量の比になることを確認する。
  3. 与えられた物質量に、係数比をかけて、求めたい物質量を計算する。

具体例

$\ce{MnO4- + 8H+ + 5Fe^2+ -> Mn^2+ + 4H2O + 5Fe^3+}$ より、$\ce{MnO4-}$ が $0.10\ \mathrm{mol}$ なら、必要な $\ce{Fe^2+}$ は係数比 $1:5$ から $0.50\ \mathrm{mol}$ と求まる。

パターン6: 電池の反応式の書き方

こんな問題で使う

電池の負極・正極それぞれの反応式や、電池全体の反応式を書く問題。

解法の手順

  1. 電池を構成する2種類の金属(または電極)のイオン化傾向を比較する。
  2. イオン化傾向が大きい方を負極と判断し、「金属 → 金属イオン + $ne^-$」の酸化反応式を書く。
  3. もう一方を正極と判断し、その電解質水溶液中で還元される物質(多くは $\ce{H+}$)の反応式を書く。
  4. 負極・正極の電子の数をそろえて足し合わせ、電池全体の反応式を作る。

具体例

ボルタ電池では、亜鉛が負極($\ce{Zn -> Zn^2+ + 2e-}$)、銅が正極($\ce{2H+ + 2e- -> H2}$)となり、全体では $\ce{Zn + 2H+ -> Zn^2+ + H2}$ となる。