化学基礎 / 酸と塩基

章末問題

章末問題

問題1

次の反応において、$\ce{H2O}$ はブレンステッド・ローリーの定義における酸・塩基のどちらとしてはたらいているか答えよ。

$\ce{H2O + HNO3 -> H3O+ + NO3-}$

解答・解説を見る

$\ce{H2O}$ は $\ce{HNO3}$ から $\ce{H+}$ を受け取って $\ce{H3O+}$ になっています。相手から $\ce{H+}$ を受け取っているので、$\ce{H2O}$ は塩基としてはたらいています。

答え:塩基

問題2

$0.0010\ \mathrm{mol/L}$ の塩酸のpHを求めよ。ただし塩酸は完全に電離するものとする。

解答・解説を見る

$[\ce{H+}]=1.0\times10^{-3}\ \mathrm{mol/L}$ なので、

$\mathrm{pH} = -\log_{10}(1.0\times10^{-3}) = 3$

答え:$\mathrm{pH}=3$

問題3

$4.0\times10^{-3}\ \mathrm{mol/L}$ の水酸化バリウム $\ce{Ba(OH)2}$ 水溶液のpHを求めよ。ただし $\ce{Ba(OH)2}$ は完全に電離するものとし、$\log_{10}2=0.30$ とする。

解答・解説を見る

$\ce{Ba(OH)2 -> Ba^2+ + 2OH-}$ より、$\ce{Ba(OH)2}$ は2価の塩基です。

$[\ce{OH-}] = 2\times4.0\times10^{-3} = 8.0\times10^{-3}\ \mathrm{mol/L}$

$\log_{10}8=3\log_{10}2=3\times0.30=0.90$ を使うと、

$\mathrm{pOH} = -\log_{10}(8.0\times10^{-3}) = -(0.90-3) = 2.10$

$\mathrm{pH} = 14-2.10 = 11.90$

答え:$\mathrm{pH}=11.90$

問題4

$0.30\ \mathrm{mol}$ の水酸化カルシウム $\ce{Ca(OH)2}$ と過不足なく中和するのに必要な塩化水素は何molか。

解答・解説を見る

$\ce{Ca(OH)2}$ は2価の塩基、塩化水素は1価の酸です。求める物質量を $n\ \mathrm{mol}$ とすると、$n_{酸}\times a = n_{塩基}\times b$ より、

$n\times1 = 0.30\times2$

$n = 0.60\ \mathrm{mol}$

答え:$0.60\ \mathrm{mol}$

問題5

次の水溶液のうち、塩基性を示すものをすべて選べ。

① $\ce{NaCl}$ ② $\ce{NH4Cl}$ ③ $\ce{CH3COONa}$ ④ $\ce{Na2CO3}$ ⑤ $\ce{KNO3}$

解答・解説を見る

それぞれの塩がもとになった酸・塩基の強弱を確認します。

① 強酸($\ce{HCl}$)+強塩基($\ce{NaOH}$)→中性 ② 強酸($\ce{HCl}$)+弱塩基($\ce{NH3}$)→酸性 ③ 弱酸($\ce{CH3COOH}$)+強塩基($\ce{NaOH}$)→塩基性 ④ 弱酸($\ce{H2CO3}$)+強塩基($\ce{NaOH}$)→塩基性 ⑤ 強酸($\ce{HNO3}$)+強塩基($\ce{KOH}$)→中性

答え:③、④

問題6

濃度不明の硫酸水溶液 $10.0\ \mathrm{mL}$ を、$0.20\ \mathrm{mol/L}$ の水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ、$15.0\ \mathrm{mL}$ を要して中和した。この硫酸水溶液の濃度を求めよ。

解答・解説を見る

硫酸は2価の酸、水酸化ナトリウムは1価の塩基です。求める濃度を $c\ \mathrm{mol/L}$ とすると、$c_1V_1a=c_2V_2b$ より、

$c\times10.0\times2 = 0.20\times15.0\times1$

右辺を計算すると $0.20\times15.0=3.0$ なので、

$20c = 3.0$

$c = \frac{3.0}{20} = 0.15\ \mathrm{mol/L}$

答え:$0.15\ \mathrm{mol/L}$

問題7

$0.10\ \mathrm{mol/L}$ の酢酸水溶液を、$0.10\ \mathrm{mol/L}$ の水酸化ナトリウム水溶液で滴定するとき、中和点での液性(酸性・中性・塩基性)と、用いるべき指示薬をそれぞれ答えよ。

解答・解説を見る

酢酸(弱酸)と水酸化ナトリウム(強塩基)が中和してできる塩は $\ce{CH3COONa}$ で、$\ce{CH3COO-}$ の加水分解により水溶液は塩基性を示します。したがって塩基性側で変色するフェノールフタレインを用いる必要があります。

答え:塩基性、フェノールフタレイン

問題8

$0.050\ \mathrm{mol/L}$ のシュウ酸($\ce{H2C2O4}$、2価の酸)水溶液 $20.0\ \mathrm{mL}$ を中和するのに必要な $0.10\ \mathrm{mol/L}$ 水酸化ナトリウム水溶液の体積を求めよ。また、シュウ酸は弱酸であるが、この中和計算に酸の強弱は影響するか、理由とともに述べよ。

解答・解説を見る

体積の計算

シュウ酸は2価の酸、水酸化ナトリウムは1価の塩基です。求める体積を $V\ \mathrm{mL}$ とすると、

$0.050\times20.0\times2 = 0.10\times V\times1$

左辺を計算すると $0.050\times20.0\times2=2.0$ なので、

$0.10\times V = 2.0 \quad\Rightarrow\quad V = 20.0\ \mathrm{mL}$

酸の強弱の影響について

中和の量的関係は、酸が出すことのできる $\ce{H+}$ の総物質量(価数×物質量)によって決まり、電離度(強弱)には影響されません。反応が進んで $\ce{H+}$ が消費されると、弱酸であっても電離平衡が移動してさらに電離が進み、最終的にはすべての $\ce{H+}$ を出し切るところまで反応が進むためです。したがって、シュウ酸が弱酸であっても、上と同じ計算方法がそのまま使えます。

答え:$20.0\ \mathrm{mL}$。中和の量的関係は価数と物質量だけで決まり、酸の強弱には影響されない。