化学基礎 / 酸化還元反応

章末問題

章末問題

問題1

次の反応において、$\ce{Cl2}$ は酸化されたか、還元されたか、電子の授受に注目して答えよ。

$\ce{2Al + 3Cl2 -> 2AlCl3}$

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$\ce{Cl2}$ は電子を受け取って $\ce{Cl-}$(酸化数 $0$ から $-1$)になっています。電子を得ているので、$\ce{Cl2}$ は還元された

答え:還元された

問題2

硝酸アンモニウム $\ce{NH4NO3}$ は、$\ce{NH4+}$ と $\ce{NO3-}$ からできている。それぞれのイオンに含まれる窒素原子の酸化数を求めよ。

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$\ce{NH4+}$ のN

Hの酸化数は $+1$ が4個、イオン全体の電荷は $+1$ なので、Nの酸化数を $x$ とすると、

$x+(+1)\times4=+1 \quad\Rightarrow\quad x=+1-4=-3$

$\ce{NO3-}$ のN

Oの酸化数は $-2$ が3個、イオン全体の電荷は $-1$ なので、

$x+(-2)\times3=-1 \quad\Rightarrow\quad x=-1+6=+5$

答え:$\ce{NH4+}$ のN:$-3$、$\ce{NO3-}$ のN:$+5$(同じ化合物の中に、酸化数の異なる窒素原子が共存している)

問題3

二クロム酸イオン $\ce{Cr2O7^2-}$ が、酸性条件下で酸化剤としてはたらき、$\ce{Cr^3+}$ に変化するときの半反応式を作れ。

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Crの数をそろえます。

$\ce{Cr2O7^2- -> 2Cr^3+}$

左辺のOは7個なので、右辺に $\ce{H2O}$ を7個加えます。

$\ce{Cr2O7^2- -> 2Cr^3+ + 7H2O}$

右辺のHが14個になったので、左辺に $\ce{H+}$ を14個加えます。

$\ce{Cr2O7^2- + 14H+ -> 2Cr^3+ + 7H2O}$

電荷をそろえます。左辺は $-2+14=+12$、右辺は $+6$ なので、左辺に電子を6個加えます。

$\ce{Cr2O7^2- + 14H+ + 6e- -> 2Cr^3+ + 7H2O}$

答え:$\ce{Cr2O7^2- + 14H+ + 6e- -> 2Cr^3+ + 7H2O}$

問題4

二酸化硫黄 $\ce{SO2}$ が還元剤としてはたらくとき(酸性条件下で $\ce{SO4^2-}$ に変化する)の半反応式と、これを酸化剤 $\ce{Cl2}$($\ce{Cl2+2e- -> 2Cl-}$)と組み合わせた全体のイオン反応式を、それぞれ書け。

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$\ce{SO2}$ の半反応式

$\ce{SO2 -> SO4^2-}$ からスタートし、Oをそろえるため左辺に $\ce{H2O}$ を2個加え、

$\ce{SO2 + 2H2O -> SO4^2-}$

Hをそろえるため右辺に $\ce{H+}$ を4個加え、

$\ce{SO2 + 2H2O -> SO4^2- + 4H+}$

電荷をそろえます。左辺は $0$、右辺は $-2+4=+2$ なので、右辺に電子を2個加えます。

$\ce{SO2 + 2H2O -> SO4^2- + 4H+ + 2e-}$

全体のイオン反応式

$\ce{SO2}$ の式も $\ce{Cl2}$ の式も電子が2個なので、そのまま足し合わせます。

$\ce{SO2 + 2H2O + Cl2 -> SO4^2- + 4H+ + 2Cl-}$

答え:$\ce{SO2 + 2H2O -> SO4^2- + 4H+ + 2e-}$、全体:$\ce{SO2 + 2H2O + Cl2 -> SO4^2- + 4H+ + 2Cl-}$

問題5

次の金属 $\ce{Ag}$、$\ce{Fe}$、$\ce{Cu}$、$\ce{Al}$、$\ce{Pt}$ のうち、希塩酸に入れると反応して水素を発生するものをすべて選べ。

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イオン化列で水素より左側にある金属が希塩酸と反応します。$\ce{Fe}$、$\ce{Al}$ は水素よりイオン化傾向が大きいので反応します。$\ce{Ag}$、$\ce{Cu}$、$\ce{Pt}$ は水素よりイオン化傾向が小さいので反応しません。

答え:$\ce{Fe}$、$\ce{Al}$

問題6

亜鉛板と銀板を希硫酸に浸して電池を作った。どちらが負極になるか、理由とともに答えよ。また、負極の反応式を書け。

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亜鉛は銀よりイオン化傾向が大きく、電子を失いやすいため、亜鉛板が負極になります。

$\ce{Zn -> Zn^2+ + 2e-}$

答え:亜鉛板が負極(銀よりイオン化傾向が大きいため)。反応式:$\ce{Zn -> Zn^2+ + 2e-}$

問題7

次の(1)、(2)の反応が酸化還元反応かどうかを、酸化数の変化に注目して判定せよ。酸化還元反応であれば、酸化された原子と還元された原子をそれぞれ答えよ。

(1) $\ce{HCl + NaOH -> NaCl + H2O}$

(2) $\ce{2KI + Cl2 -> 2KCl + I2}$

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(1)

各原子の酸化数を確認すると、Hは $+1$、Clは $-1$、Naは $+1$、Oは $-2$ のまま、反応の前後で変化していません。したがってこの反応は酸化還元反応ではない(中和反応です)。

(2)

$\ce{I}$ は $\ce{KI}$ 中で $-1$ でしたが、$\ce{I2}$(単体)では $0$ になっており、酸化数が増加しているので酸化された。$\ce{Cl}$ は $\ce{Cl2}$(単体)で $0$ でしたが、$\ce{KCl}$ 中では $-1$ になっており、酸化数が減少しているので還元された。したがってこの反応は酸化還元反応である

答え:(1) 酸化還元反応ではない (2) 酸化還元反応である。酸化された原子:$\ce{I}$、還元された原子:$\ce{Cl}$

問題8

$0.10\ \mathrm{mol}$ の過マンガン酸イオン $\ce{MnO4-}$(酸性条件下で $\ce{Mn^2+}$ に変化する)と過不足なく反応する $\ce{Fe^2+}$ は何molか。また、そのとき生成する $\ce{Mn^2+}$ は何molか。

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$\ce{MnO4-}$ と $\ce{Fe^2+}$ の全体のイオン反応式は、

$\ce{MnO4- + 8H+ + 5Fe^2+ -> Mn^2+ + 4H2O + 5Fe^3+}$

この式から、$\ce{MnO4-}$ と $\ce{Fe^2+}$ は物質量の比が $1:5$、$\ce{MnO4-}$ と $\ce{Mn^2+}$ は物質量の比が $1:1$ であることがわかります。$\ce{MnO4-}$ が $0.10\ \mathrm{mol}$ のとき、

$\ce{Fe^2+}の物質量 = 0.10\times5 = 0.50\ \mathrm{mol}$

$\ce{Mn^2+}の物質量 = 0.10\times1 = 0.10\ \mathrm{mol}$

答え:$\ce{Fe^2+}$:$0.50\ \mathrm{mol}$、$\ce{Mn^2+}$:$0.10\ \mathrm{mol}$