有機化学 / 高分子化合物
章末問題
章末問題
問題1
問題
グルコースとフルクトースは、どちらも分子式 $\ce{C6H12O6}$ で表され、どちらもフェーリング液を還元する(還元性を示す)。この2つの糖が、還元性を示す理由をそれぞれ説明せよ。
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グルコースは、水溶液中でわずかに開環した鎖状構造をとり、その構造にホルミル基($\ce{-CHO}$)をもつ。このホルミル基が銀イオンや銅(II)イオンを還元するため、還元性を示す。
フルクトースはケトン構造をもつが、フェーリング液のような強い塩基性条件下では、エンジオール構造を経てホルミル基をもつ構造に異性化する。この異性化によって生じたホルミル基が還元性を示すため、フルクトースも間接的に還元性を示す。
答え:グルコースは開環時に生じるホルミル基によって直接還元性を示す。フルクトースは塩基性条件下でホルミル基をもつ構造に異性化することで還元性を示す。
問題2
問題
スクロース(ショ糖)が還元性を示さない理由を、スクロースを構成するグルコースとフルクトースの結合の仕方から説明せよ。
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スクロースは、グルコースのヘミアセタール炭素とフルクトースのヘミケタール炭素どうしが直接結合してできている。両方の単糖の還元性を生み出す部分が結合に使われてふさがっているため、どちらの単糖も開環してホルミル基やケトン構造を現すことができず、還元性を示さない。
答え:グルコースとフルクトースの、還元性を生み出す炭素どうしが結合に使われふさがっているため、開環してホルミル基やケトン構造を現すことができず、還元性を示さない。
問題3
問題
デンプン水溶液にヨウ素ヨウ化カリウム水溶液を加えると青紫色に呈色した。この溶液を加熱するとどうなるか、また、その後冷却するとどうなるかを、呈色のしくみとあわせて説明せよ。
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デンプン(特にアミロース)のらせん構造の内部の空洞にヨウ素分子が取り込まれることで、青紫色の呈色が起こっている。この溶液を加熱すると、らせん構造がゆるんでヨウ素分子が抜け出すため、色が消える(脱色する)。その後冷却すると、ゆるんでいたらせん構造が再び形成されてヨウ素分子を取り込み、色が戻る。
答え:加熱すると色が消え、冷却すると色が戻る。これは、加熱でらせん構造がゆるみヨウ素分子が抜け出し、冷却で構造が戻りヨウ素分子を再び取り込むためである。
問題4
問題
グリシン($R=\ce{H}$のアミノ酸)を、等電点よりも低いpHの水溶液に溶かした。このときグリシンはどのようなイオンとして存在するか、構造式で答えよ。また、その水溶液を電気泳動したとき、グリシンはどちらの電極(陽極・陰極)側に移動するかを答えよ。
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等電点より低いpH(酸性側)では、カルボキシ基は電離せず、アミノ基が $\ce{H+}$ を受け取った陽イオンとして存在する。
$\ce{H3N+-CH2-COOH}$
このアミノ酸は正の電荷を帯びているため、電気泳動を行うと、負の電極である陰極側へ移動する。
答え:$\ce{H3N+-CH2-COOH}$(陽イオン)。電気泳動では陰極側へ移動する。
問題5
問題
あるタンパク質の水溶液にビウレット反応とキサントプロテイン反応を行ったところ、どちらも陽性であった。それぞれの反応が検出する構造と呈色の色を答え、この結果からタンパク質についてわかることを述べよ。
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ビウレット反応は、2個以上のペプチド結合の存在を検出する反応で、陽性の場合は赤紫色に呈色する。キサントプロテイン反応は、側鎖にベンゼン環をもつ芳香族アミノ酸の存在を検出する反応で、陽性の場合は黄色(さらにアンモニア水を加えると橙黄色)に呈色する。
両方が陽性であったことから、このタンパク質は2個以上のペプチド結合をもつ(ポリペプチドである)と同時に、チロシンやフェニルアラニンのような芳香族アミノ酸を含んでいることがわかる。
答え:ビウレット反応(赤紫色)は2個以上のペプチド結合を、キサントプロテイン反応(黄色〜橙黄色)は芳香族アミノ酸を検出する。両方陽性なので、このタンパク質はペプチド結合を2個以上もち、芳香族アミノ酸を含んでいるとわかる。
問題6
問題
DNAを構成する4種類の塩基の名称を答え、そのうちどの2組が相補的塩基対をつくるかを答えよ。
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DNAを構成する4種類の塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)である。
DNAの二重らせん構造では、アデニン(A)とチミン(T)、グアニン(G)とシトシン(C)が、それぞれ水素結合によって相補的な塩基対をつくる。
答え:塩基はA・G・C・T。相補的塩基対はA-TとG-Cの2組。
問題7
問題
ヘキサメチレンジアミン $\ce{H2N-(CH2)6-NH2}$ とアジピン酸 $\ce{HOOC-(CH2)4-COOH}$ から、ナイロン66が縮合重合によってできる反応式を書け。
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ヘキサメチレンジアミンのアミノ基と、アジピン酸のカルボキシ基が、交互にアミド結合を形成しながら縮合重合する。
$n\ce{H2N-(CH2)6-NH2} + n\ce{HOOC-(CH2)4-COOH} \longrightarrow \ce{-[NH-(CH2)6-NH-CO-(CH2)4-CO]_n-} + 2n\ce{H2O}$
答え:$n\ce{H2N-(CH2)6-NH2} + n\ce{HOOC-(CH2)4-COOH} \to \ce{-[NH-(CH2)6-NH-CO-(CH2)4-CO]_n-} + 2n\ce{H2O}$
問題8
問題
天然ゴムの主成分となる単量体の名称と構造式を答え、生ゴムに加硫という処理を行うことでゴムの性質がどのように変化するかを説明せよ。
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天然ゴムの主成分は、イソプレン $\ce{CH2=C(CH3)-CH=CH2}$ が付加重合したポリイソプレンである。
生ゴムに硫黄を加えて加熱する加硫を行うと、ポリイソプレン鎖に残った二重結合の部分で、隣り合う分子鎖どうしが硫黄原子によって架橋される。この架橋構造により、変形させても分子鎖全体がずれにくくなり、力を除いたときに元の形に戻りやすくなる(弾性・強度が向上する)。また、温度による性質の変化も小さくなり、実用的な材料になる。
答え:単量体はイソプレン $\ce{CH2=C(CH3)-CH=CH2}$。加硫によって分子鎖どうしが硫黄で架橋され、弾性・強度が向上し、温度による性質変化も小さくなる。