化学 / 溶液
章末問題
章末問題
問題1
次のうち、水によく溶けるものをすべて選び、理由も述べよ。(a) $\ce{NaCl}$ (b) $\ce{I2}$ (c) $\ce{C2H5OH}$(エタノール) (d) $\ce{C6H14}$(ヘキサン)
解答・解説を見る
$\ce{NaCl}$ はイオン結晶で水和により溶ける。$\ce{C2H5OH}$ は $\ce{-OH}$ を持つ極性分子で水と水素結合を作れる。$\ce{I2}$、$\ce{C6H14}$ は無極性分子で、極性溶媒である水とはなじまない。
答え:よく溶けるのは (a) $\ce{NaCl}$ と (c) $\ce{C2H5OH}$
問題2
硝酸カリウム $\ce{KNO3}$ の水に対する溶解度は、$80\ \mathrm{^\circ C}$ で $169$、$40\ \mathrm{^\circ C}$ で $64$(いずれも水 $100\ \mathrm{g}$ に対する g数)である。$80\ \mathrm{^\circ C}$ の水 $200\ \mathrm{g}$ で飽和水溶液をつくり、$40\ \mathrm{^\circ C}$ まで冷却すると、何gの結晶が析出するか。
解答・解説を見る
$80\ \mathrm{^\circ C}$ で水 $200\ \mathrm{g}$ に溶けている量:$\dfrac{169}{100}\times200=338\ \mathrm{g}$
$40\ \mathrm{^\circ C}$ で水 $200\ \mathrm{g}$ に溶けたままの量:$\dfrac{64}{100}\times200=128\ \mathrm{g}$
析出量:$338-128=210\ \mathrm{g}$
答え:$210\ \mathrm{g}$
問題3
硫酸銅(II)$\ce{CuSO4}$(式量 $160$)の水に対する溶解度は $30\ \mathrm{^\circ C}$ で $50$ である。$30\ \mathrm{^\circ C}$ の水 $500\ \mathrm{g}$ で飽和水溶液をつくり、これを冷却したところ、硫酸銅(II)五水和物 $\ce{CuSO4.5H2O}$(式量 $250$)の結晶が $200\ \mathrm{g}$ 析出した。冷却後の温度における $\ce{CuSO4}$ の溶解度を求めよ。
解答・解説を見る
最初に溶けていた $\ce{CuSO4}$ の質量:$\dfrac{50}{100}\times500=250\ \mathrm{g}$
析出した結晶 $200\ \mathrm{g}$ に含まれる $\ce{CuSO4}$(式量比 $160/250=0.64$):$200\times0.64=128\ \mathrm{g}$
析出した結晶に含まれる水(式量比 $90/250=0.36$):$200\times0.36=72\ \mathrm{g}$
冷却後、溶けたまま残っている $\ce{CuSO4}$:$250-128=122\ \mathrm{g}$
冷却後、残っている水:$500-72=428\ \mathrm{g}$
冷却後の溶解度 $S_2$ は、水 $428\ \mathrm{g}$ に $\ce{CuSO4}$ が $122\ \mathrm{g}$ 溶けている比から、
$S_2 = \frac{122}{428}\times100 \approx 28.5$
答え:約 $28.5$(g/水100g)
問題4
$0\ \mathrm{^\circ C}$、圧力 $1.0\times10^{5}\ \mathrm{Pa}$ で、水 $1\ \mathrm{L}$ に酸素 $\ce{O2}$ が $49\ \mathrm{mL}$(標準状態換算)溶ける。同じ温度で圧力を $2.0\times10^{5}\ \mathrm{Pa}$ にしたとき、水 $3\ \mathrm{L}$ に溶ける $\ce{O2}$ の体積(標準状態換算)を求めよ。
解答・解説を見る
圧力が2倍、水の量が3倍になるので、溶ける体積(標準状態換算)は、
$49\times2\times3 = 294\ \mathrm{mL}$
答え:$294\ \mathrm{mL}$(標準状態換算)
問題5
$0\ \mathrm{^\circ C}$ で、$\ce{N2}$ を単独で $1.0\times10^{5}\ \mathrm{Pa}$ にして水 $1\ \mathrm{L}$ に接触させると $24\ \mathrm{mL}$(標準状態換算)溶け、$\ce{O2}$ を単独で $1.0\times10^{5}\ \mathrm{Pa}$ にして水 $1\ \mathrm{L}$ に接触させると $48\ \mathrm{mL}$(標準状態換算)溶ける。体積比 $\ce{N2}:\ce{O2}=4:1$ の空気を、全圧 $2.0\times10^{5}\ \mathrm{Pa}$ で水 $1\ \mathrm{L}$ に接触させたとき、溶ける $\ce{N2}$ と $\ce{O2}$ の体積(標準状態換算)をそれぞれ求めよ。
解答・解説を見る
分圧は $p_{\ce{N2}}=2.0\times10^{5}\times\dfrac{4}{5}=1.6\times10^{5}\ \mathrm{Pa}$、$p_{\ce{O2}}=2.0\times10^{5}\times\dfrac{1}{5}=0.4\times10^{5}\ \mathrm{Pa}$ です。
$V_{\ce{N2}} = 24\times\frac{1.6\times10^{5}}{1.0\times10^{5}} = 24\times1.6 = 38.4\ \mathrm{mL}$
$V_{\ce{O2}} = 48\times\frac{0.4\times10^{5}}{1.0\times10^{5}} = 48\times0.4 = 19.2\ \mathrm{mL}$
答え:$\ce{N2}$ は $38.4\ \mathrm{mL}$、$\ce{O2}$ は $19.2\ \mathrm{mL}$(いずれも標準状態換算)
問題6
塩化カルシウム $\ce{CaCl2}$(式量 $111$)$1.11\ \mathrm{g}$ を水 $200\ \mathrm{g}$ に溶かした。$\ce{CaCl2}$ は水溶液中で完全に電離し、1つの式単位から3つの粒子(イオン)を生じるものとする。この水溶液の凝固点を求めよ。$K_f=1.85\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$ とする。
解答・解説を見る
$\ce{CaCl2}$ の物質量:$n=\dfrac{1.11}{111}=0.0100\ \mathrm{mol}$
電離後の粒子の総物質量:$0.0100\times3=0.0300\ \mathrm{mol}$
質量モル濃度:$m=\dfrac{0.0300}{0.200}=0.150\ \mathrm{mol/kg}$
$\Delta t_f = K_f m = 1.85\times0.150 = 0.2775\ \mathrm{K} \approx 0.278\ \mathrm{K}$
答え:凝固点は約 $-0.278\ \mathrm{^\circ C}$
問題7
ある非電解質 $2.0\ \mathrm{g}$ を水に溶かして $100\ \mathrm{mL}$ とした溶液の、$27\ \mathrm{^\circ C}$ における浸透圧は $2.49\times10^{4}\ \mathrm{Pa}$ であった。この物質のモル質量を求めよ。$R=8.3\times10^{3}\ \mathrm{Pa\cdot L/(mol\cdot K)}$ とする。
解答・解説を見る
$T=300\ \mathrm{K}$、$V=0.100\ \mathrm{L}$ より、
$n = \frac{\Pi V}{RT} = \frac{2.49\times10^{4}\times0.100}{8.3\times10^{3}\times300} = \frac{2490}{2.49\times10^{6}} = 1.0\times10^{-3}\ \mathrm{mol}$
$M = \frac{2.0}{1.0\times10^{-3}} = 2.0\times10^{3}\ \mathrm{g/mol}$
答え:$2.0\times10^{3}\ \mathrm{g/mol}$
問題8
墨汁に光を当てると、光の通路が明るく見えた。この現象の名称を答えよ。また、この現象が起こる理由を、粒子の大きさの観点から説明せよ。
解答・解説を見る
名称はチンダル現象です。墨汁中の炭素の微粒子はコロイド粒子であり、直径がおよそ $1\ \mathrm{nm}\sim100\ \mathrm{nm}$ 程度と、可視光の波長に近い大きさを持つため、光を強く散乱させます。そのため、光の通路が明るく見えます。真の溶液の場合、溶けている粒子(イオンや分子)が小さすぎて光をほとんど散乱させないため、このような現象は見られません。
答え:チンダル現象。コロイド粒子が可視光の波長に近い大きさを持ち、光を散乱させるため。