化学基礎 / 物質の構成

頻出解法パターン

パターン1: 純物質・混合物・単体・化合物の分類手順

こんな問題で使う

与えられた物質のリストを、純物質/混合物、あるいは単体/化合物/混合物に分類する問題。

解法の手順

  1. その物質が「1種類の化学式で書けるか」を確認する。書けなければ混合物。
  2. 1種類の化学式で書ける(純物質である)場合、その化学式に含まれる元素の種類数を数える。
  3. 元素が1種類だけなら単体、2種類以上なら化合物と判定する。
  4. 「元素」の名前で語られているのか(成分の話)、「単体・化合物」として実際に存在する物質の話なのかを、文脈からも確認する。

具体例

「ステンレス鋼」は鉄・クロム・ニッケルなどが混ざった合金なので、1つの化学式で書けず混合物。「ドライアイス」は $\ce{CO2}$ という1つの化学式で書け、炭素と酸素の2種類の元素からなるので化合物と判定できる。

パターン2: 分離法の選び方

こんな問題で使う

混合物から特定の物質を分離・精製する方法を答えたり、実験操作の名前を答えたりする問題。

解法の手順

  1. 分離したい物質どうしの間に、どんな性質のちがいがあるかを確認する(粒の大きさ、沸点、温度による溶解度、溶媒への溶けやすさ、昇華性、吸着されやすさ、など)。
  2. そのちがいに対応する分離法を選ぶ:粒の大きさ→ろ過、沸点→蒸留・分留、温度による溶解度→再結晶、溶媒への溶けやすさ→抽出、昇華性→昇華法、吸着されやすさ→クロマトグラフィー。
  3. 選んだ分離法の操作の流れ(加熱する、冷やす、ろ紙を使うなど)を、具体的に説明する。

具体例

「エタノールと水の混合物から、エタノールの濃度を高めたい」という問題では、エタノールと水の沸点のちがいに着目して、**蒸留(分留)**を選ぶ。

パターン3: 陽子・中性子・電子の数を求める手順

こんな問題で使う

原子番号・質量数・中性子数のうち、いくつかが与えられて、残りの値や、陽子・中性子・電子の数を求める問題。

解法の手順

  1. 与えられている量(原子番号 $Z$、質量数 $A$、中性子数 $N$ のうちどれか)を確認する。
  2. $A=Z+N$ の関係式に、わかっている値を代入して、残りの値を求める。
  3. 原子番号 $Z$ がそのまま陽子の数になることを使う。
  4. 原子が中性である(イオンでない)ことが確認できれば、電子の数は陽子の数(原子番号)と等しいとする。

具体例

質量数27、中性子数14の原子について、$Z=A-N=27-14=13$ より原子番号13(アルミニウム)とわかり、陽子13個・電子13個・中性子14個と求められる。

パターン4: 平均原子量を求める・存在比を求める計算パターン

こんな問題で使う

2種類の同位体の相対質量と存在比から原子量を求める問題、または原子量と相対質量から存在比を求める問題。

解法の手順

  1. 存在比が2つとも与えられている場合は、$\text{原子量}=\dfrac{\text{相対質量}_1\times\text{存在比}_1+\text{相対質量}_2\times\text{存在比}_2}{100}$ にそのまま代入する。
  2. 一方の存在比だけが未知の場合は、それを $x\,\%$ とおき、もう一方を $(100-x)\,\%$ と表す。
  3. 原子量の式に代入し、$x$ についての1次方程式を立てて解く。
  4. 存在比は原子の個数の割合としてそのまま使えることを利用し、必要なら原子の個数(全体×存在比)を計算する。

具体例

原子量 $10.81$、相対質量 $10.01$($\ce{^{10}B}$)と $11.01$($\ce{^{11}B}$)から $\ce{^{10}B}$ の存在比 $x$ を求めるには、$10.81=\dfrac{10.01x+11.01(100-x)}{100}$ を解いて $x=20$(%)を得る。

パターン5: 電子配置から価電子・族・周期を求める手順

こんな問題で使う

原子番号から電子配置を書き、価電子の数や、周期表の族・周期を答える問題。

解法の手順

  1. 原子番号(=電子の総数)を確認する。
  2. 電子を内側の電子殻から順に、最大収容数($2n^2$:K殻2、L殻8、M殻18)まで詰めていく。
  3. 最後に電子が入った電子殻(最外殻)の電子数を、価電子の数として読み取る(ただし貴ガスは価電子0とする)。
  4. 電子が入っている電子殻の数がそのまま周期の番号になり、価電子の数(1〜7)から族(1・2族、13〜18族)を推定する。

具体例

原子番号15の原子は、K2 L8 M5と電子配置が決まり、最外殻M殻の電子5個が価電子となる。電子殻がK・L・Mの3つなので第3周期、価電子5個なので15族(リン)と判定できる。

パターン6: 化学結合の種類の判定と電子式・構造式の作成手順

こんな問題で使う

物質を構成する化学結合の種類を答えたり、分子の電子式・構造式を書いたりする問題。

解法の手順

  1. 物質を構成する元素が、金属元素どうしか、非金属元素どうしか、金属元素+非金属元素かを確認する。
  2. 金属+非金属→イオン結合、非金属どうし→共有結合、金属どうし→金属結合、と判定する。
  3. 共有結合の分子については、各原子の価標の数(H:1、O:2、N:3、C:4が基本)を確認する。
  4. 価標の数がちょうど過不足なく満たされるように原子どうしを線(単結合・二重結合・三重結合)でつなぎ、構造式を完成させる。余った価電子は非共有電子対として書く。

具体例

二酸化炭素 $\ce{CO2}$ は、炭素(価標4)と酸素(価標2)が非金属どうしなので共有結合。炭素の価標4本を、左右の酸素それぞれとの二重結合(2本×2)で使い切る形にすると、構造式 O=C=O が得られる。