有機化学 / 高分子化合物

頻出解法パターン

パターン1: 糖類の還元性の有無を、開環したときの構造から判断する

こんな問題で使う

単糖・二糖のどれが還元性を示すか(フェーリング液を還元するか、銀鏡反応を示すか)を問う問題。

解法の手順

  1. 対象の糖が単糖か二糖かを確認する。
  2. 単糖の場合、開環した鎖状構造にホルミル基(グルコースなど)またはケトン構造(フルクトース)が現れるかを確認する。フルクトースは塩基性条件下で異性化してホルミル基が現れるため還元性を示す。
  3. 二糖の場合、単糖どうしを結ぶグリコシド結合が、両方の単糖の還元性を生み出す炭素(ヘミアセタール・ヘミケタール炭素)をふさいでいるかを確認する。
  4. 両方ふさがれていれば非還元糖(例:スクロース)、片方が残っていれば還元糖(例:マルトース)と判断する。

具体例

マルトースが還元性を示す理由を問われたら、グルコース2分子のうち一方の還元性を生み出す炭素が、結合に使われずに残っていることを説明する。

パターン2: 二糖・多糖の性質を、構成する単糖とグリコシド結合の種類から考える

こんな問題で使う

デンプンとセルロースの性質の違い(ヨウ素デンプン反応、消化のされやすさなど)を説明させる問題。

解法の手順

  1. どちらもグルコースからなる多糖類であることを確認する。
  2. グリコシド結合の種類($\alpha$-1,4結合か $\beta$-1,4結合か)を確認する。
  3. $\alpha$-1,4結合なららせん構造をとる(デンプン)、$\beta$-1,4結合ならまっすぐな構造をとる(セルロース)と判断する。
  4. らせん構造の有無から、ヨウ素デンプン反応の可否、消化酵素で分解できるかどうかを結論づける。

具体例

「セルロースがヨウ素デンプン反応を示さない理由」を問われたら、$\beta$-1,4結合によりまっすぐな構造をとりらせん構造をもたないため、ヨウ素分子を取り込む空洞がないことを説明する。

パターン3: アミノ酸の電離状態を、溶液のpHとの関係で考える

こんな問題で使う

アミノ酸が酸性・中性・塩基性の溶液中でどのような形(イオンの種類)で存在するかを問う問題や、等電点を求める問題。

解法の手順

  1. アミノ酸が両性電解質であり、アミノ基とカルボキシ基の両方をもつことを確認する。
  2. 溶液が酸性なら、アミノ基が $\ce{H+}$ を受け取った陽イオン形($\ce{H3N+-CHR-COOH}$)になると判断する。
  3. 溶液が塩基性なら、カルボキシ基が $\ce{H+}$ を失った陰イオン形($\ce{H2N-CHR-COO-}$)になると判断する。
  4. 等電点付近では、正味の電荷が0になる双性イオン形($\ce{H3N+-CHR-COO-}$)が主になると判断する。

具体例

電気泳動でアミノ酸がどちらの極に移動するかを問われたら、溶液のpHと等電点の大小関係を比較し、pHが等電点より低ければ陽イオンとして陰極側へ、高ければ陰イオンとして陽極側へ移動すると答える。

パターン4: タンパク質の検出反応を、どの構造が引き起こすかで整理する

こんな問題で使う

タンパク質の検出反応(ビウレット反応・キサントプロテイン反応)の結果から、タンパク質の構造的特徴を推測する問題。

解法の手順

  1. ビウレット反応が陽性であれば、2個以上のペプチド結合(トリペプチド以上)が存在すると判断する。
  2. キサントプロテイン反応が陽性であれば、側鎖にベンゼン環をもつ芳香族アミノ酸(チロシン、フェニルアラニンなど)が含まれると判断する。
  3. 2つの反応は検出している構造がまったく異なる(一方はペプチド結合の数、他方はアミノ酸の種類)ことを踏まえ、それぞれの結果を独立に解釈する。

具体例

ある試料がビウレット反応陰性、キサントプロテイン反応陽性であれば、芳香族アミノ酸(またはその誘導体)は含むが、ペプチド結合を2個以上はもたない(アミノ酸単体やジペプチドである)と判断できる。

パターン5: 付加重合か縮合重合かを、モノマーの構造から判断する

こんな問題で使う

与えられたモノマーの構造式から、どのような重合が起こり、どのような高分子ができるかを問う問題。

解法の手順

  1. モノマーが炭素間二重結合を1つもつだけか、2つの官能基(ジアミンとジカルボン酸、ジオールとジカルボン酸など)をもつかを確認する。
  2. 二重結合を1つもつだけなら、付加重合と判断し、二重結合が開いてつながった繰り返し単位を書く。
  3. 2つの官能基をもつなら、縮合重合と判断し、官能基どうしが結合(アミド結合やエステル結合)してできる繰り返し単位と、副生する小さな分子(多くは水)を書く。
  4. 生成した高分子の繰り返し単位の中に、アミド結合やエステル結合が含まれていれば縮合重合の生成物であると確認する。

具体例

エチレングリコールとテレフタル酸の組み合わせを見たら、それぞれが2つの官能基(ヒドロキシ基、カルボキシ基)をもつことから縮合重合と判断し、エステル結合をもつPETの繰り返し単位を組み立てる。

パターン6: モノマーと繰り返し単位の対応から高分子の構造式を組み立てる

こんな問題で使う

2種類のモノマーから、縮合重合でできる高分子の繰り返し単位の構造式を書かせる問題。

解法の手順

  1. 2種類のモノマーそれぞれの官能基(アミノ基・カルボキシ基・ヒドロキシ基など)を確認する。
  2. 一方の官能基ともう一方の官能基が反応して、どのような結合(アミド結合かエステル結合か)ができるかを確認する。
  3. 2つのモノマーを交互に並べ、官能基どうしが結合した部分から水分子がとれた形で繰り返し単位を組み立てる。
  4. モノマー $n$ 分子ずつから、繰り返し単位 $n$ 個と、水 $2n$ 分子(1つの繰り返し単位あたり2か所で縮合が起こる場合)ができることを確認する。

具体例

ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸から、それぞれのアミノ基とカルボキシ基が交互にアミド結合をつくる形でナイロン66の繰り返し単位を組み立て、水が2分子ずつ副生することを確認する。